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安全マインド
2023.02.01 (水)
「今日、駐車場で車をぶつけてしまいました」
要は、事故を起こしたということです。
このように社員さんから言われた経験はないでしょうか。
この言葉は、企業の安全管理をしている方、車両管理をしている方であれば、残念ながら一度は言われたことがある言葉かもしれません。
もしかしたら、社員さんからあまりにも多く言われすぎて、うんざりしている方もいるかもしれません。
ただ、しっかりと対策をとることで、このような“聞きたくない報告”は減らすこともできます。
なぜなら人は「事故をしたくない」と根本的には思っているので、あとは具体的なやり方を継続することで運転も変わっていくからです。
しっかりとした対策とは何のか。
車の運転で事故をしないための運転技量、交通ルールの理解、安全確認の徹底。
事故をしない運転をするために必要な情報はたくさんありますが、もっとシンプルに。
まずは、自分の運転をしっかり診断することです。
私自身も、自分の運転を診断することで「なぜうっかりぶつけてしまう」のか可視化することができました。
もし企業の安全管理を担っているあなたが今現在、運転中の事故を減らすための対策を探しているのであれば、きっとこの記事は役に立つと思います。
目次
社員「今日、駐車場に戻ってきた時に、ついうっかりぶつけてしまいました」
上司「おいおい、事故か。なんでぶつけたんだ? ちゃんと注意してたのか?」
社員「はい、気をつけて運転していたんですけど・・・(汗)」
上司「車を見せてみろ。あと報告書にもちゃんと書かないといけないから」
だいぶ大雑把な会話の流れですが、この流れで違和感を感じることがあります。
車をぶつけてしまったことの原因よりも、事故報告に話が変わろうとしています。
もちろん、この後に事故が起きた原因を具体的にしていくとは思いますが。
ここで、ついうっかりという表現を、もっと具体的に深堀していく必要があります。
うっかりぶつけてしまったということは、とても抽象的かつ、どうとでも取れる言葉でもあります。
つまり、本人も「何が根本的な原因なのか」が分かっていないことが多いのです。
よく言うこの言葉。ついうっかり。
車の運転だけに限らず、仕事中にも案外多く使われています。
「ついうっかり見落としていました」
「うっかりしていました。すぐやります」
「そうだった! あ〜 うっかりしてたなぁ!」
気づいた方もいるかもしれません、そうなんです。
このうっかりという言葉が使われる時は、明らかに抜けていることがある時に使われるのです。
つまり、ついうっかりという運転は、
・そこに何があるかを見ていない
・そこに何があったかを覚えていない
・次に起こることを予測していない
・見ただけで覚えていない
このように、その時の運転に必要な認知と予測が明かに欠けていることが読み取れます。
つまり、言い換えれば事故をしてもおかしくない運転をしていたという事になります。
では、この「ついうっかり」というのを無くすために、仕事中はどうしているのでしょう。
例えば、手帳に忘れないように書いておく。Googleカレンダーや予定帳のアプリで管理している。
時間になったら通知が来るようにしている。
人によって色々な管理の仕方があることでしょう。
そのことに気づかなかったり忘れていたら、後で取り返しがつかなくなることもあったり、大きな損失になることもあるので、これは誰からも教わることなく自分で考えてやっていることが多いです。
つまり、誰かの迷惑になる、自分が痛い目を見る、会社の損失になる。誰かに自分のせいで迷惑がかかるからやっていると言っても過言ではありません。
では運転はどうでしょうか。
運転中に気づかなかったり、見たものを忘れていたとしたら・・。
社員の運転中の事故を無くすためには、社員さん自身が「自分の運転を知る」にあります。
つまり、俯瞰して自分の運転を細かくチェックしていくこと。
現実的には、ひとりで自分の運転を診断するのは難しいです。
なぜなら、それまでの経験で運転ができており、何が問題なのかすら炙り出せないからです。
「今見えているものはなに?」
「さっき自転車がいたけど何色の服を着ていた?」
「(駐車場でバックをしている最中に) 前にあるポールのことは今は見えないけど覚えている?」
今見えているもの。
さっきまで見えていて、今は見えないもの。
まだ見えないけど、見えるかもしれないもの。
このようにひとつ一つを一緒に乗っている人が運転をしている人へ聞きながら、自分はどこまで考えたり認識しているかを確認しあうことが効果的です。
事故をしないための情報収集、次に起こりそうなことをどれだけ具体的に予測しているか、そのために今はどのように車を走らせるのか。
自分の運転を知ることから始めなければ、どこを修正していいのかが見えてこない。
事故をしない運転をするなら、事故をしない運転をしている人が何をしているかを知らなければいけません。
でもそれは、誰にでも出来ることであって決して難しいことではないのです。