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安全運転
2022.07.01 (金)
一度、手を止めてじっくりみてもらいたいです。
これは企業向けの安全運転研修を15年以上、研修実績約230社を担当してきた私たちが、事故を1件でも未然に防ぐ方法について本音で解説する記事になっています。
「人は違うけど業務運転中の事故の総件数が、毎年同じくらいありなかなか減らない…」
「定期的な安全管理教育を行っているが、イマイチ効果が見られない…」
「会社として何かしらの対策を取らないといけない…」
私たちも、たくさんのお客様を見てきて、運転技量は十分にあるのにどうして事故になったのか。
単純に運転技量が未熟なのだろうか。
こう感じる事も少なくはありません。ただ、事故に繋がる原因そのものは、実は案外シンプルだったりもします。
今回は、上記のような担当者の方が直面する悩みの解決に、少しでも参考になればと思い記事を書きました。
1件でも業務運転中の事故が無くなり、余計なコストをかけないだけでなく、働く社員の安全を確保する道しるべになって欲しいと感じます。
目次
実はこれが案外出来ているようで、なかなか難しいことです。
自分がどんな運転をしているのかを、言葉にして具体的に第3者に話をしたことなど、ほとんどの人はないでしょう。
なぜなら毎回走る道が同じであっても、状況は違うし運転をしているドライバー本人の意識も違う。
自分の運転を俯瞰してみるというのは
・毎回意識して運転をしている事は何か
・業務での運転は、プライベートで運転をする事と何が違うのか
・焦っている、イライラしている、やる気があまり出ない時、悩んでいる時はどんな運転をしているか
例えば、このような事をなるべく具体的に自分の言葉で言えるようにしたいところです。
これは、自分の運転を自分自身で深堀することで、改めて自分の運転を見直すきっかけになるからです。
方法①と似ているかもしれませんが、ここでは自分が無意識にやっているクセです。
もしかしたら無意識なので、自分では気づいてないかもしれないので厄介なところでもあります。
私たちが安全運転研修をしていてよく見受けられるのは
・ハンドルを回す時に内掛けハンドルになっている
・進路変更をする時の安全確認は、ミラーだけで行っている
・左折をする時に左側に寄せない
・信号機の無い横断歩道に歩行者がいても、止まって歩行者を譲る意識がない
免許を取得したばかりの頃に意識をしてやっていた事でも、月日が流れていくうちにだんだんと疎かになっていくと
いつの間にかその運転になります。
意識していた事を反復してやると、それが潜在意識に刷り込まれ無意識にアウトプットされていく。
左折をする時に、左に寄る事を意識しないと、左に寄らないという事を意識して潜在意識に落ちるので、無意識に寄らずに曲がることになる。
これが自然になってしまうと(クセになってしまうと)、なかなか修正するのは厄介で改めて意識して反復する必要があります。
この時は、なぜそうするのかというドライバーが納得する理由づけも必要になってきます。
交通ルールは本当にたくさんあります。
教習所に通っている時でさえも、すべての交通ルールを理解する、覚えるのはなかなか困難です。
だからといって、自分がやった事が違反だった場合には、事故に繋がるリスクもあがりますので、交通ルールはやはり知っておく事が大事。
ただそうは言っても
「交通ルールを勉強させるのは大変だな」「そこまでは社員はやらないよ」と思う方も多くいると思います。
でも、交通ルールは、誰でもすぐに知ることが出来る方法がたくさんあるのは事実です。
覚え直すのは時間もかかるし、そもそも時間が取れないという方もいるかもしれません。でも、忘れていた、知らなかったとしても謙虚はされますし、他の車に迷惑をかける事にもなります。
やれば身につく。調べればわかる。反復すれば暗記できます。
新入社員を派遣してくる担当の方からよく聞きます。
「新人は運転経験も少ないから、とにかく車に乗せて沢山走らせて欲しいです」
勿論、運転スキルを上達させるには、反復練習をして操作に慣れる、スムーズに出来ることが大事です。
ただ、あくまで業務運転において危険な運転をしない、基本的な安全運転が出来るスキルを身につける、落ち着いて一人でも運転が出来るレベルになればいい訳です。
そのためには、運転スキルだけを徹底して磨くことだけでなく、なぜこのような運転をする事が必要なのか。
自分の運転がどこが良くてどこが悪いのか。企業ドライバーとして、何を意識して運転をするのか。
このような運転意識もしっかり認識したうえでの運転スキル向上が大事になります。
・通勤でしか運転をしない。
・運転をするけど、月1回くらい。
・たまに現場に行く時に運転をする。
どうしても自分が関わる事が少ないと、関わる事が多いことへ注力してしまいます。これは当然と言えば当然かもしれません。
どうしても運転をする頻度が少ないと、例えば運転の練習に時間を割こうとか、安全運転研修を受ける気持ちもあまり高くないことがあります。
そこで、運転する頻度が少ないけど運転をするならば、その運転も大事な仕事であることを理解してもらう。
それだけでなく、その運転中に万が一の事があったら・・・。
つまり、回数や頻度は取り上げる事ではないのです。
企業が実践する安全管理は、リスク軽減が目的なのですから。
業務運転をする社員がいるのであれば、定期的な教育を行うことは必要不可欠です。
ここで注意したいのは、単発で教育を行っても長続きは難しいということ。
例えば、新入社員を例に取ると、入社時の教育の中で安全運転研修を実施。業務運転をすることも、本業とは違うと決めつけるのではなく、大事な仕事のひとつとして行う。
配属先に行ったら、具体的にどのような仕事でどのエリアを走るかも分かってくるので、再度実践的な講習を行う。
ここからが大事で、仕事をしながら定期的な運転意識と運転行動のチェックをしていく。
特に1年目の社員は、安全管理への意識よりも「仕事を早く覚えなければいけない」という義務感かられる事が強い傾向にあるからです。
そのため、企業が行う安全管理への重要性はどうしても薄れがちになります。
そのためにも、自分自身の運転を見直すことをする必要が出てきます。
前の車との距離が近くなると、ぞれだけ前方の状況が掴みづらくなる。掴むのが遅れる。
これは、判断も悪くし結果的に運転操作に支障をきたします。
一般道路でも高速道路でも、前の車両との車間距離は十分に取ることで、判断の遅れや操作の遅れ、ミスが激減します。頭で理解するだけでなく、実際の運転でどれだけ車間距離が取れているかを見ながら実践してもらいたいです。
※補足
よく信号が青になることを予測して、前の車が動いていないのに動き出す車を見かけます。
これは、前の車が「動くだろう」という予測や、「早くいけ」という意識のもとに出ている事が多いので思い当たる人はやめた方がいいです。
走行中にミラーを使う人は多いです。
ただ、見る頻度が少ない。見ただけで、対象となるものがどのような動きをするか観察をしていない。
こういった事が多く見られます。
安全確認は、見たものがどうなるかをしっかりと観察することが大事です。瞬時に長い時間見る訳にいかないので必然的に、マメに繰り返し見ていく必要があります。
特に、進路変更時にミラーで見えない箇所を目視で確認する。車庫れをする時には、ミラーやバックモニターだけに頼らない事。
一番確実なのは、自分の目でしっかり見る事です。
横断歩道を渡る歩行者、車道を走る自転車への対応は、特に注意を払いたいです。
横断歩道を渡ろうとしているを止まって譲る意識を持つ。歩道から車道へ出てきた自転車を安全に走らせる。
時には感情的になる事もあろうかと思いますが、他の交通への配慮も大事なことです。
交通状況は、結局は人によってつくられているので、歩行者や自転車、駐車車両や工事現場など。それだけ他者がつくる状況が多いので、ドライバーとして配慮することで危険要因を減らすことに繋がります。
よく言われる「うまい運転」とは、どんな運転なのでしょうか。
こちらをまとめた記事もありますので、ぜひご参考にしてみてください。
会社から言われている。
研修を受けたからその通りやる。
これに加え、最後にどんな運転をするかを決めるのは、ドライバーご本人です。
業務運転をするうえで、どんな運転をすればいいのか。そのために足りない事は何かを知って身につけること。
これは本人自身も真剣に考えて取り組む必要があります。
私たちは、少なくとも企業が実践して成果を出したい安全管理対策を、一緒になって実践したいと考えています。
外部の研修会社として、ひとりでも事故をしない企業ドライバーの教育に尽力をしていきます。
まだまだ事故を未然に防ぐ方法はたくさんありますし、正直10個では伝えきれません。
企業と社員。そして私たちのような外部の教育会社が一致団結して成果を出すには、お互いが協力しあう必要があります。
この安全管理対策は、企業の余計な損害損失を出さない事、企業ブランドと伝統を守る事。
そして何より未来の会社存続の基盤となります。
これからも安全管理対策をしっかりと実践できるように、私たちもお客様のサポートをさせていただきます。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。