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安全マインド
2023.03.17 (金)
あと半月もすれば、新入社員が入社してくる季節になりました!今、弊社では多くの内定者の方が運転研修を受けに来て下さっています。4月からの入社に向けて、仕事の一つである業務運転の準備を始めています。私も日々、新社会人の応援をする気持ちで内定者の方の研修に当たらせて頂いていますが、皆様を見ていて気が付いたことがあります。
それは「意識」、別の言葉で言えば「マインド」の重要性です。
目次
内定者の方の運転研修も、境遇は人それぞれ。つい先日免許を取ったばかり、という方もいますし、18歳で免許を取得し、友人とレンタカーを借りて出かけたり、家で車を運転する等、アクティブに車を使っている方もいます。あるいは、一人暮らしを始める為、会社の近くに引っ越してきたので運転する機会はなくなってしまった、免許を取ったのは結構前だけど、運転には関心がなかったのでほとんど乗らなかった、という方もいます。
4月からは新入社員として同じスタートラインに立つ方々で、考え方もこれまでの境遇も人それぞれ。良い・悪いも全くありません。業務運転がある方に限っては、これまで多少運転をしていた方が有利にさえ思えます。でも、私は「有利な可能性を持っている」だけで、現実に有利・不利は関係ないと思います。スタートは皆同じだけど、何か月かすると、もしくは1年経つと少しずつ違いが出て来ます。さて、どのような方が伸びていくのでしょうか?
私は「意識」つまり「マインド」の持ち方が、今後の未来を創るに当たって最重要だと考えています。運転研修でいらっしゃる内定者の方を見ていて、本当にゼロから(運転経験ゼロから)スタートをする方でも「マインド」がきちんと整っている方は、おそらく今後の仕事も、人生も楽しみながら続けていけるのだろうな、周りから大切にされる人財として活躍出来る人になるんだろうな、と思います。
短期的に見て成果を上げるだろうとか、仕事が出来るだろうとか、飲み込みが早いとか、そのような意味ではなく、中・長期的に見て(時にはつまずいたりすることもあったとしても)その人が「この仕事をしていて良かった」と思えたり「やりがい」を感じることが出来たり、毎日の仕事を楽しむことが出来たり、何事にも前向きに取り組むことが出来たり、最終的に自分に誇りを持てるような、頑張っている自分に価値を感じられるような自分でいられることが出来るという意味です。
これは世間一般で言う「マインドセット」とは違う考え方ですので、あえて「マインドセット」という言葉は使いません。私は区別する為に「マインド」とか「意識」という言葉を使っています。
分かりやすい例を挙げて解説します。
先日、研修に来た方でこのような方がいらっしゃいました。朝早かったからなのか、とても嫌そうに見えました。表情も暗く、どちらかというと「しかめっ面」のような表情に見えました。最初は「何かあったのかな」と思い、普通に接していましたが、お客様にご協力頂いたアンケートも「どちらでもない」という解答ばかり。主体的に学ぼうという気持ちは感じることが出来ませんでした。運転を担当したインストラクターも「聞かれたことにしか答えてくれない」「すごく嫌そうだった」「反応が薄い」ということで、対応に苦慮したようでした。当然ながら研修結果も良いものではなく、運転でも行動に改善は見られない結果に。
私が言いたいのは、そのお客様の態度が悪かったとか、後味が悪かったとかいうことではなく「学ぼうという主体性」や「苦手だけど自分の役に立つことだし、頑張ってみよう」という姿勢がない時は、残念ながら何も吸収出来ないということです。どんなに私達が色々な伝え方でその方に合ったことを言ったとしても、受け取る姿勢がない方は、何も受け取ることが出来ません。この姿勢こそが「マインド」だと思います。この方のマインドは「渋々」「気が進まない」「受け取りたくない」というマインドのあり方だったのだと思います。
一方で、先日ご一緒した内定者の方は運転に苦手意識があり、何度も何度も失敗しながらも決して諦めることなく、一生懸命に取り組んでいました。自主的なご質問もたくさんして下さり、本当に「熱心」「一生懸命」という言葉がぴったりであり、こちらも更に色々なことを伝えたくなるような方でした。この方のマインドは「主体的に学ぼう」「苦手だけど頑張ろう」「自分の為になることだ」というあり方だったのだと思います。
私はその人の意識の方向性を「マインド」と表現してきましたが、意識やマインドは目には決して見えません。ただ、その人の雰囲気や表情・態度や姿勢等、非言語的に表現されるか、あるいは行動となって目に見える形で表れます。他人から見ると表に出て見えるものなんです。本人が意図して表現しているのか、無意識なのかも関係なく表に出ます。「にじみ出てしまう」ようなものです。従って、他人にはわかってしまうので、他人の反応も分かれます。
人が「この人と一緒に仕事をしたい」と感じるのはどのような人でしょうか?
人が「この人なら信用出来る」と感じるのはどのような人でしょうか?
人が「この人と人間関係を作りたい」と思うのはどのような人でしょうか?
先の受講者様の例で言うならば、上記の質問に対する回答はいずれも後者の方でしょう。その人の「マインド」のあり方は表に出るものであり、他人に影響します。
ここまで「マインド」のあり方がいかに自分の周りの世界を創るか、仕事や人生にとって重要か、ご理解頂けたのではないでしょうか。
人間はマインドの持ち方次第で、大切な学びを吸収出来るかも、人生を明るく出来るかも、仕事を楽しく出来るかも、全てが変わってしまうのです。
一時的に成果を上げたり、気分を上げたり、良い評価を得ることは出来ます。でも、大抵の方は一時的で終わってしまいます。長い社会人生活や人生では「継続すること」が必要であり、継続するには自分のモチベーションを保つことが欠かせません。でも、そのモチベーションはどこからやってくるかというと「マインド」に他ならないのです。
私達はこの「マインド」の重要性を運転研修でも、社員研修でもお伝えしています。学生から社会人になる新入社員の方は特に知っていて欲しいなと思いますが、新入社員の方だけに限らず、全ての年代の方に言える事でもあります。
そして、大切なのは「気づいたらいつでも変えることが出来る」ものなのです。変えることは言葉で言うのは簡単ですが、実際にやってみると難しいことかもしれません。一人では変えられないかもしれません。挫折もあるかもしれません。
まずは自分の心の状態を振り返ってみたり、自分がどうありたいのか・それに対して今目の前にある現実はそれと乖離がないかを改めて考えてみることからが始まりです。自分にフォーカスするところからしか始められません。深く内観をすることからが始まりですが、自分の思考パターンがありますので、そこで挫折してしまう方が非常に多いです。ただ、そこから少しずつ変えていくしか方法はありません。
研修を受ければ一瞬で変われる訳ではありませんので、自分に出来ることから少しずつ努力をしていくことが必要になります。場合によっては時間がかかることもあります。
運転でも仕事でも、現状を変えたいと思う方や、なんとなく上手くいっていないと思う方、事故を起こしてしまう方、気が付いた方はぜひ一度ご相談下さい。