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ビジネススキル
2021.11.22 (月)
部下の指導について勉強しない人より、部下の指導について勉強をしている人の方が
部下指導はうまく出来る。
部下の指導について勉強している人より『人のことについて勉強をしている人』の方が
部下だけに限らず会社全体の教育担当を任される。
成功している人の部下指導を真似れば、はたして同じようにうまくいくのでしょうか。
正直、その会社の社風、部下や上司の人間性など、色々な要素が関係してくるので分からないというのが正直なところです。
ただ、ひとつ断言できることがあります。
部下がイキイキと働く、毎日充実した日々を送る、自発的に行動してくれる
そんな働く姿勢になってもらうためには、部下の立場や背景や状況をしっかりと分かってあげる事が最も大切だということ。
だって、ロボットじゃない。ひとりの感情をもった人間だからです。
今回のコラムでは、人は指示命令だけでは本心からは動かない。
人は、メンタルが充実している、安定しているからこそ他の人へ貢献できるという事を示していきたい。
目次
人の幸福度について少し触れたいと思います。
幸福度が上がる時はどんな時だろう。
・人から誉められたとき
・人の役に立てた時
・人から頼られた時
・好きなことや楽しいことをしている時
・自分だけの時間を堪能している時
・ストレスを感じない時
・自分が得意な事をしている時
まだまだたくさんありますが、ここで言える事は『自分の思うがままに行動している時』だと言えるでしょう。
しかもこの行動をしている時のことを誉められたり認められたら・・・
誰でも嬉しいはず。
部下も同じです。部下がやっている事、頑張っていた事、得意にしている事をいちはやく見てあげる事が上司には求められます。
ダメなところや直して欲しいところではなく、良い所を引き上げる。
この意識をもって日々接していきたいです。
良い所を伸ばしてあげればあげるほど、部下は自分の強みに気づき自らも引き上げようとしていきます。
人に認められることで、自分がやっていることは正しい。
誰からの役に立っているというのが目に見えて分かるから。
そうすると、本来欠点でもあった部分が個性に見えてきます。
もちろん、自然に欠点がなおるという訳ではありません。欠点があることで、さらにその部下を応援したくなる気持ちが高くなっていきます。
上司である私たちも完璧ではありません。時には部下に支えられて助けられています。
むしろ欠点があるからその下の人たちの役割や存在が大きいのです。
そして何より、本人自身が長所を伸ばす(引き上げてもらう)ことで、自分自身の欠点をも知り改善しようとしていくのです。
学生の頃に勉強ができる人は、必ずしも社会に出てからも成果を出しているかというと
必ずしもそうとは限らないです。
この原因の一つに「カンニングをしてはいけない」という自分の固定概念を外せていないことにあります。
むしろ社会で成果を出すためには、成果を出している人の考え方、やり方をまずは真似するくらいの方が絶対に近道です。
部下指導においても同じで、誰かに教えてもらうまで待つのではなく、自分から主体的に動くことで結果的に部下指導に必要な事が早く気づけるようになります。
勿論、部下指導の方法に絶対はないかもしれません。
でも、少なからず自分がいる職場の上司を真似る事で、この職場での部下指導や人材育成のやり方としては、大きく外れることはないのではないでしょうか。
ちなみに私は、部下からの信頼も厚く、指導力もある上司に徹底して話を聞き、やり方を真似することから始めました。
上司も人であり部下も人。
結局ビジネスは、相手がお客様であったり仲間であったり、人と人で成り立つものです。
部下指導をするうえでも、何のために部下を指導するのか。
そもそも指導という言葉を使ってはいるけど、本当に上司部下がお互いに成長をしていくことが一番大事なのです。
上司もすべてを知っている訳でもないし完璧でもないです。
上司の足りない部分は部下がサポートする。部下の足りないところは上司がカバーする。
こういうお互いに信頼関係の中で成り立つ指導こそが、結果的に人材の育成にとても大きな成果として現れます。
・自分の思い通りにならないと、ついつい細かい事まで言ってしまう。
・部下に任せていると時間がかかるので、自分でやってしまう。
・目の前の仕事に追われ、つい部下への教育がおざなりになってしまう。
・業績も良くうまくいっているからといって、改善点を見過ごしている。
色々なパターンがありますが、上司である前に1人の人間として部下に向き合っていく姿勢を取っていきたいと思います。
部下指導がうまい上司は、いつ誰に何を伝えたのかを覚えています。
こういう話をすると「毎日忙しいのにそこまで詳しくは覚えていないよ」という人もいますが、覚えていられるように「指導ノート」を作ってみてはどうだろう。
例えば、業務中に無駄話ばかりしている部下に注意をしたとします。その時は反省をして、しばらく無駄話が減ったと思っていても、また数ヶ月後に元に戻ってしまった。
こんな場合には、1回目になぜ、何を、どのように、そして次はどうしていくかを具体的に記録に残してあれば、2回目の指導が深みをまして効果的になるでしょう。
また、記憶に残っていることで、失敗した指導方法や効果が見込めなかった指導方法がはっきりします。
ここでのポイントは
「部下に指導をした事だけを記憶しておくのではなく、その後、どのように改善したのか」
をしっかり認めて誉めてあげることです。
自分の指導に応えてくれた部下への感謝の気持ちがあれば、別の機会でも再現性をもって対応が出来ます。
反省の気持ちがあれば、同じミスを繰り返さずに指導を行うことが出来ます。
これは、部下への愛情がどれくらいあるかで大きく変わります。
愛情をもった部下指導こそが、本当に部下への心に刺さっっていくものなのです。
部下へ指導をする時に起こりがちなのが、部下からの反発です。
指導をしたその時は反応が無くても、翌日から指示を出したら反論される、意見を求めたら素っ気ない返事しか返ってこない、頼まれた仕事はやるけど嫌々。
こうなると、部下に嫌われたと思う人も出てきます。
でも、嫌いの反対は“無関心”であり、嫌われたとしたらあなた自身に反論するとかはしません。
あなたの上の上司に部下はクレームをいれます。
部下指導がうまい上司は、この事実をとてもよく理解していて、直接自分に何かしらの反応をしてくれる部下は、自分の事を少なからず認めてくれているという感情を汲み取っているのです。
仮に上司の勝手な勘違いだとしても、本人は最高のパフォーマンスを心掛けていくので間違ってはいないのです。
ここで大切なのは、部下からの嫌われていると思わせる対応から逃げないで真摯に向き合うということです。
コミュニケーションとは、伝わっただけでは足りません。
部下から反論されたり、言った事を聞いてもらえない上司に多いのは「言った、言わない」の水掛け論です。
あの時言ってくれれば・・・
なんで今言うんだろう・・・
こういう部下の気持ちが積もり積もれば、上司に対する不信感になります。当然、職場の雰囲気も悪くなります。
ここから言える事は、部下に言った事が正解ではなくて、伝わったことが正解なのです。
部下指導がうまい上司のコミュニケーションは、自分が発信した言葉ではなく、何よりも部下の解釈が大事だということです。
いかに相手(部下)を大事に思っているか。この気持ちがないと、表面上だけでなく本当の部下指導は難しいのです。
持って生まれた才能があるとすれば、それはきっと他の人とそう大差はない程度だと思います。ほとんどは、多くの経験と気づきから体得した行動の結晶です。
なぜ部下を指導するのか? 指導することでどうなるのか? そもそも部下指導は本当に必要なのか? 部下にどうなってほしいのか?
このような目的がブレない事が一番重要です。上司に部下指導をする目的と熱量が無くなったらおしまいです。
そして大事な事をもう1つ。
部下は、自分自身でも成長しようとしている事を忘れないで欲しい。どんな人だって、人から認められたい、役に立ちたい、自分を高めていきたいっていう気持ちはあるのです。
ここまで書いてきた内容が、すべて正解ではありません。
私の中での正解、そして今までの経験をまとめただけにすぎません。
このコラムを参考にしながら、あなたならではの部下指導を見つけて欲しいです。
あくまで、部下指導に関することをまとめた教科書。
さらに詳しく加筆して、自分だけのものにするのもあなた次第です。