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ビジネススキル
2022.02.28 (月)
管理職とは、課長以上のポジションを指すことが一般的です。
自分だけでなく、複数人の社員をまとめなければならない管理職には、相応の責任が問われます。
企業がよりよい方向に発展していけるように、管理職に就くうえで大切なことを確認しておきましょう。
今回は、管理職に求められる役割について、いくつかのポイントをまとめて解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
管理職には、ほかの役員や社員と明確に異なる点がいくつかあります。
管理職の役割を知るために、まずはほかの社員と異なる部分について確認していきましょう。
企業内で職に就いている人たちは、掲げられた目標の達成に向かって、日々進んでいきます。これは、どの社員も同様です。
管理職とは、このなかから複数の社員をまとめる立場にあるポジションを指しています。
ポジションの肩書の定義は企業によって異なりますが、主任や係長、課長、次長、部長、本部長といった職位が当てはまります。
管理職は、複数の社員を指揮したり、管理したりする立場にあります。
労働基準法のなかでは「管理監督者」と定義されており、定められている労働時間や休日に関するルールとは無縁の存在となります。
よって、規定の労働時間を超えて働いても、残業代や手当は支払われません。しかし、働き方改革が進むなかで、管理監督者の労働時間の把握が義務付けられるなど、その扱い方は変化してきています。
企業のなかで、重要な立場のひとつとして数えられるのが、役員です。
管理職が企業が掲げた目標の達成のために複数の社員をまとめるのに対して、役員は企業の方針やルールといった重要な事柄の決定を担っています。
管理職と役員では、このほかにも契約形態や給与、問われる責任の範囲も異なる点があります。
管理職は複数の社員をまとめる立場にありますが、自分自身も1人の社員に違いありません。契約形態でいえば、企業と直接雇用契約を結んでいる関係にあります。
一方で役員は、管理職のように企業と雇用契約を結んだ一人の社員というわけではありません。役員と企業の間は、委任契約によって結ばれています。
契約形態が異なれば、給与も大きく変わってきます。管理職は社員の一人なので、給与が毎月支払われます。役員の場合、毎月支払われるような給与はありません。代わりとして役員報酬が支払われます。
また、どれだけ人をまとめる重要な立場といっても、管理職に就く社員も企業に属する一人であるため、たとえば大きな失敗をしたからといってその責任を負わされるようなことはほぼありません。ですが、役員には会社法に基づいた相応の責任が問われます。
管理職と同じ社員である一般社員では、近しい部分が数多くあります。
管理職は自分の管轄内の社員を指揮します。そして、管理職の下で一般社員たちは業務にあたります。
管理職と一般社員では、このほかにも手当や問われる責任の範囲が異なります。
企業で働く社員たちには、基本的に労働基準法が適用されます。社員たちがパフォーマンスを維持しながら快適な条件で働けるように、労働時間や休日出勤などに関するルールが定められているのです。
先述のとおり、管理監督者である管理職には、時間外労働のルールが適用されません。よって、残業代や休日手当などは支払われないのが管理職です。
複数の社員たちをまとめる立場にある管理職には、一般社員よりも多くの権限を持っています。状況によっては、管理職の指示をもらえなければ手が付けられない事柄もあるでしょう。
管理職には相応の権限があるので、指示を待たずに自分の判断で動けます。
その分、相応の責任は問われます。部下のミスをカバーするのは、上司である管理職の役割です。
管理職には、複数の社員をまとめて指揮するための権限と相応の責任がともないます。
ここからは、管理職が果たすべき3つの役割について、具体的に見ていきましょう。
企業が掲げる目を達成するためには、社員たちが各々で闇雲に業務を取り組んでいてはいけません。
複数の社員に指示を出し、より効率がよくなるように業務内容を管理することが大切です。
管理職には、自分の管轄内における社員たちに対して、目標達成に相応しくなるよう業務内容を適切に管理する役割があります。
社員たち一人ひとりに対して能力を的確に把握したうえでの人員配置や計画立案など、これらには管理職の手腕が試されます。
ほかにも、予算管理や進捗の把握・共有なども重要です。社員たちが最善を尽くせるように、管理職は常に神経を張り巡らせなければいけません。
複数の社員をまとめ上げるのが、管理職に求められる役割の1つです。
そのために、管轄内の社員たちが取り組んでいる業務の内容や進捗状況を的確に把握し、必要であればフォローやアドバイスを行う能力も求められます。
血が通っている同じ人間である以上、心を持つ同士として真摯に社員一人ひとりと向き合い、個人の能力の発揮やスキルアップについて気を配る必要があります。
業務のなかでコミュニケーションを行い、一人ひとりがもっとも能力を発揮できるように、管理職は頼りがいのある存在でなければいけません。
管理職は、一般社員と比べると経営層に近しい立場にいる存在です。
経営層が目指していきたい方向を汲み取り、その目標達成のために管理職に就いた社員は複数の一般社員たちをまとめます。
多くの社員がいる企業では、少数人の経営層の考えを全員に浸透させるのは困難です。
そこで、管理職が橋渡しをして、経営層の考え方を一般社員たちに対して浸透させていきます。これも、管理職が担う重要な役割の1つです。
管理職に就いた社員が自分の役割を全うするために、備えておくべき能力が3つあります。それぞれ見ていきましょう。
一般的に「テクニカルスキル」とも呼ばれる能力です。
自分が取り組むべき業務を行うために、必要とされる知識や技術のことを指します。業務に取り組む個人によって、求められる能力は変わってきます。
業種や職種、企業内のポジションによって細かく異なってきますが、管理職に関しては複数の社員たちに対してマネジメントするスキルや一人ひとりの能力を的確に評価する目などが該当します。
複数の社員をまとめる管理職には、人間として立派な器を持っていることが求められます。
とくに管理職は、その業務に携わる多くの社員たちの人間性を分析して、最適なアプローチを考えていくことが必要です。この能力は「ヒューマンスキル」とも呼ばれます。
社員同士のコミュニケーションやコーチング、全体をまとめ上げるリーダーシップが管理職に必要なヒューマンスキルに該当します。
社員たち一人ひとりに対して適切に対応し、企業に属する一人の社員として部下たちをまとめて目標に向かっていくための能力です。
「コンセプチュアルスキル」とも呼ばれるこの能力は、状況に応じて最適な決断を下すためのものです。
現在の状況を的確に分析したうえで、何が問題となっているのかを明確にし、最適な解決法を考案して、実行するうえでの効果予測などを行う能力です。
管理職やそれ以上の経営層に求められる能力で、目標達成のためでなく、トラブルが発生したときの対処に必要なスキルでもあります。
管理職は、いざという局面で確かな結果を出すことが求められるのです。
初めて管理職に就いた社員は、自分が役員や一般社員と異なること、求められている役割、必要とされている能力など、これらを身につけていなければいけません。
理想とする「優れた管理職」であるために、大切な5つの心得について見ていきましょう。
複数の社員たちをまとめ上げる管理職には、相応のコミュニケーション能力を持っている必要があります。
働き方改革が進められるなかでリモートワークが増えていく一方で、とくに社員同士のコミュニケーションが重要となってきています。
生産性を上げていくために、適切なコミュニケーションがとれる職場づくりを意識しなければいけません。そのために、管理職が自ら積極的にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
また、コミュニケーションを活発化させることは、管理職が社員たち一人ひとりの人間性を把握するだけでなく、逆に自分の人間性を部下たちにわかってもらうことにも繋がります。
管理職を含めて日頃から組織内で円滑なコミュニケーションをとることができれば、日々の生産性向上だけでなく、万が一の事態への対処にもスムーズに対応できるでしょう。
お金を貰って働いている以上、業務を行う際には相応の緊張感があるべきでしょう。
しかし、過度なプレッシャーを与えてしまうと、居心地が悪くなってしまい、社員たちもそれぞれの能力を発揮しづらくなってしまいます。
過度な緊張感は、集団を悪い方向に進ませてしまうかもしれません。
常に緊張しているのではなく、適度にゆとりを持てるある程度の居心地のよさがある職場づくりを心がけましょう。
失敗が許されないような職場環境では、社員たちも萎縮してしまい、働きにくい雰囲気が蔓延してしまいます。
もし、部下が失敗してしまったら、理由もなくただ叱責するのではなく、的確なフォローをしたうえで再発防止のために一緒に寄り添ってあげるのが理想の管理職でしょう。
上司と部下の信頼関係に関わってくる重要な問題です。失敗を恐れるのではなく、目標のために今できる最善を尽くせる環境作りを心がけましょう。
また、部下の失敗に対して上司が責任を取ろうとする姿勢は、社外やほかの社内の人間同士にもよい効果を与えます。
インターネット技術の登場やスマートフォンの普及、働き方改革の推進など、世のなかは刻一刻と変化しています。複数の社員たちをまとめ上げる管理職も、時代に合わせて変化していくことが求められます。
管理職からすれば、管轄内の社員たちのみが教育対象に思えるかもしれません。
企業が成長していくためには、管理職も学ぶ柔軟な姿勢を持っていくことが大切です。
管理職には、残業代や休日手当が支払われません。
だからといって当たり前のように時間外労働をしていいわけでもないのです。上司がいつまでも働き、有給休暇もとっていないような状況だと、部下たちもなかなか休みづらくなってしまいます。
管理職が積極的に必要な休暇を取り、社員たちも休みやすい職場づくりを心がけましょう。
ただし、複数の社員をまとめ上げる立場にいる都合上、向こう見ずに休んでしまう管理職は頼りなく思われてしまうこともあるかもしれません。
社内でコミュニケーションを取り合い、誰が休んでも対応できるように日頃から体制を整えておくことが大切です。
また、管理職が不在でもしっかりと業務に取り組める環境が整っていれば、各々のスキルアップにも大きく貢献できるでしょう。
企業が大きく発展していくためには、できるだけ効率よく組織が目標に向かって進んでいくことが大切です。
そのために重要な要素の1つが、管理職の存在です。
管理職に就いた社員は、同じ社員たちをまとめ上げて、企業が掲げる目標達成のために、能力を発揮しなければいけません。
また、管理職は、一人の社員として業務に取り掛かる能力だけでなく、一人の人間として優れた人間性を持っていることも大切です。